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いつか恋する

こんにちは、ジャズ子です。

今日は、ジャズ子の中の人の話をします。

JVSJでもジャズバージョンの編曲を出版している「花は咲く」。
ジャズ子は最初、これを歌うことができませんでした。
ジャズではないものの、音楽の勉強をしてずっと歌ってきたジャズ子にとって、
歌えないという経験は初めてでした。
胸が詰まってしまってというのではなく、もっと切羽詰まっていて、
言葉や音が自分の中から出ていきようもなかったのです。

やっと歌えるようになったのは2年後。
ひとつひとつ、初めて曲をおさらいして発表したときのように、
音を追って出すのがせいいっぱいでした。
つたないというか、全く演奏にさえなっていなかったかもしれません。

でも、それでも。
聴いてくれた人たちは、感じるものがあったと言ってくれました。
響くものがあったとぽろぽろ泣いてくれた人もたくさんいました。

そのときに、言葉を乗せて歌うことの力にあらためて驚き、
自分が歌うことができて、ほんとうによかったと思いました。
震災の時には遠くにいて、
家族や友人をただ心配するしかなかった自分でも、
こうやって遠く離れた地で、少しでもやれることがあったのだと。

何年も経って、ジャズ子は今、北の地にいます。
今年も「花は咲く」を歌う機会があります。
この地で、歌っていいのだろうか。そして私は、歌えるのだろうか。
遠くから考えるのと、実際にこの地で感じるのとは、差があります。

でも、この地で起こったことは、伝えていかなければいけない。
直接経験していない私には、語ることはできません。
でも、歌うことはできる。
伝えることが埋もれさせてはいけない記憶と共にあるならば、
歌もまた、その手助けになるかもしれない。

そう考えて、ジャズ子は歌おうと思います。
やっぱりうまく歌えないかもしれませんが、
自分ができることをするしかないなら、
後悔しないように歌いたい。

いつか恋する、きみのために。

 

読んでいただいて、ありがとうございました。

たとえ少しでも、昨日よりも日々が穏やであるように、
明日の朝が、どうぞいつも通りの朝がくるように、
お祈り申し上げます。

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