グレッグ・ジャスパース特集企画を担当できたことを、誇りに思います。
tota です。
本記事は、今年2021年9月 ~ 10月に開催される Greg Jasperse Special Workshop に向けて、日本に Greg の魅力を広める目的で企画された4週連続特集です。
第1回 ~ 第3回の記事はこちらからどうぞ。
Greg Jasperse を知っているあなたも、知らないあなたも、読み終わって本記事に戻ってくる頃には、彼のオリジナル曲「Covenant」が頭の中をぐるぐる回っていることでしょう。
そして今回は第4週、最終回です。
テーマは「ソロボーカル」。
3つほど音源をご紹介しますので、ぜひ視聴しながらお楽しみください。
彼の歌声を聴くこと。
それが押しも押されもせぬジャズボーカリストへの第一歩です。
1曲目は「But Not For Me」。
軽快なアレンジで演奏されるイメージがありますが、歌詞は切ないんですよね。
こちらは切ない歌詞をあえて素直に表現して、しっとりとして重みのある演奏になっています。
本題の Greg のボーカルについてですが、先ず思うのは自由だな、ということ。
そしてあまりにも精確だと気付かされます。
一人のシンガーとして、声の出し方もメロディラインも、自由であればあるほど難易度が上がるものだと思います。
演奏に対するアイディアがパッと思い付いたとしても、それを安定して表現するには、ボーカル楽器としての身体を自在にコントロールできなくてはなりません。
またそのアイディアも、知識や経験の伴わないものでは、当たるかどうか分からないギャンブルのようになってしまいます。
記事第4回にして、ようやく動く Greg を見たわけですが、早く実際にリアルタイムで Greg と話して、歌ってみたいですよね。
そしてこのピアノを弾いているダンディな紳士、何を隠そう New York Voices のメンバーであるPeter Eldredge。
両者ともにボーカリストとしてもピアニストとしても非凡なプレイヤーだからか、まるで一人で弾き語っているかのように息ぴったりです。もっと色々聴いてみたくなります。
2つ目は動画ではなくウェブサイトからのご紹介になります。
2018年にJVSJ主催のもと Special Workshop の講師を務めてくださった、世界の Michele Weir のホームページです。
リンク先ページの中段あたりに、目を疑うほど男前な Greg の画像があって、その下の「Listen」という文字を押すと、彼の演奏を聴くことができます。
音源を聴いてみると、つい、爽やかで切ない、爽切などという言葉を生み出してしまいそうな気持ちになるスキャットが響いてきます。
本特集第2回で Greg のアレンジメントについて取り上げたのですが、その特徴的な爽快感が表ていますね。
こちらの「ScatAbility」というのは何かというと、iOS向けのスキャット練習Appです。
お手本歌唱を聴きながらコード譜を見たり録音したりできる、画期的なアプリになっているので、気になった方はインストールしてみてください。
Greg 以外にも New York Voices の Darmon Meader や、Michele Weir 本人のお手本歌唱もあるので、それを聴けるだけでも価値があります。
最後は Greg のオリジナル曲「Dandaya」から。
素晴らしい楽曲、演奏なのでぜひ最初からご覧頂きたいですが、一応 Greg のソロに近い部分をピックアップしました。
Greg は「Sixth Wave」と「Vertical Voices」というボーカルグループに所属していますが、この動画は後者「Vertical Voices」のライブ映像です。
YouTubeで「Greg Jasperse」「Sixth Wave」「Vertical Voices」などで検索すると、割と簡単に Greg 関連の動画に辿り着けます。
早いところ、カタカナで「グレッグ ジャスパース」と検索しても、ずらっと Greg 関連ページが
ヒットする時代になって欲しいものですね。
この「Dandaya」は Greg のソロアルバム「Tournesol」にも収録されていて、そこでも彼のアドリブを聴くことができます。両バージョンのソロセクションを聴き比べてみるのも面白いかも知れません。
いかがでしたでしょうか?
第1回から第4回まで、長々とお付き合い頂きありがとうございました。
皆様に Greg Jasperse その人を知って頂くために始まった本企画です。
皆様と素敵な音楽の出会いの、ほんの少しの助けにでもなれていれば幸いです。
皆様のボーカル技術上達の足台にでも、なれていれば幸いです。
「Greg Jasperse に一目会いたい」
もしそう思って頂けたなら、それ以上のことはありません。
私たちボーカリストはこの厳しい状況の中、大きな転換期を迎えます。
誰も想像できないような気付きが、もたらされます。
今年、日本のボーカル・ジャズシーンは新たなステージへと進みます。
続報をお待ちください!
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